「なぜ起業したのか ― 原点と、仲間と、変わらない想い」
私はもともとリフォーム会社の出身です。前職には、今うちの主要メンバーになっている阿見くんも一緒に在籍していました。特別に「いつか起業しよう」と決めていたわけではありませんが、働いていく中で自然と「自分でやるべきこと」「自分にしかできないこと」が見えてきたことが、独立の大きなきっかけでした。
■訪問販売で叩き込まれた営業の基礎
前職は、完全な訪問販売の営業会社。
「訪問販売=リフォームの闇」というイメージを持つ方も多いですが、私はこの手法自体を否定していません。問題は訪問販売という手法を悪用する人たちが一定数いることであって、訪問販売そのものに罪はありません。
実際、私自身も訪問販売でお客様の背中を押せたことで、感謝された経験がたくさんありますし、今でも訪問販売でしっかり結果を出している会社もたくさんあります。
そして、前職では若くして成績がとても良かったこともあり、社長から可愛がっていただき、仕事の提案なども率直に言える関係性に恵まれていました。
ただ、そこで感じた大きな違和感が、私を起業へと向かわせる原動力になりました。
■「売上が最優先」だった前職で感じた葛藤
営業としては成果を出せていたし、お客様にも満足いただけていたと思います。
ですが、会社全体で見ると「顧客満足より売上が優先」という空気が強かった。
私は、どれだけ売れようが「ありがとう」と言ってもらえなければ意味がないと考えています。
ビジネスの根本は、満足してもらい、感謝してもらい、対価をいただき、また次につながる循環のはずです。
しかし、当時の会社ではその循環が成立しにくい環境がありました。
23〜24歳の若造だった私ですが、その頃からすでに「もっとお客様を大事にしないと会社は続かない」と感じ、社長にも何度も率直に意見を伝えたことを覚えています。
結果としてその考えはあまり受け入れられず、役員になる話まで出ていたものの、自分の信念を貫くために会社を出る決断をしました。
■「やるなら仲間と、誠実に楽しく」
起業するとき、最初に声をかけたのは、前職でともに働いた仲間たち。
「どうせやるなら、気の合う仲間とワイワイ楽しくやりたい」
そんな想いでスタートしました。
そして驚くべきことに──
創業メンバーは誰一人として辞めていません。11年経った今でも全員残っています。
世の中では「友達と起業すると上手くいかない」とよく言われます。実際、当時はいろんな人に心配されました。しかし、私たちの場合は全員が年々成長し、志も進化し、会社とともに歩み続けてくれています。
一つだけ意識していることがあります。
仲は良くても、仕事ではしっかり上下関係を明確にすること
友達関係をそのまま仕事に持ち込むと破綻します。
だからこそ、「仕事では上司と部下」「プライベートでは仲間」と切り替えてきました。
そのバランスが、長く続いている理由だと思っています。
■最も辛かったのは「仲間との別れ」
11年続けていると、嬉しいことも辛いこともありました。
中でも一番堪えたのは、仲間との別れです。
病気で亡くなってしまった人もいますし、それぞれの人生の事情で退くメンバーもいました。
どれも本当に辛く、大切な仲間だったからこそ、今でも胸に残っています。
それでもなお、「この仲間たちと会社をよくしていきたい」という想いが、私を常に前へ押し出してくれました。
■若者だけじゃない。働くすべての人にチャンスがあるべき
よく「若者に夢を」「若者の未来を」と語られますが、私は若者限定で語ることに違和感があります。
働くすべての人には価値があり、
50代にも、60代にも、70代にも、それぞれ可能性がある。
現に、当社では年配のスタッフも多く、お客様からの信頼はむしろ厚いほどです。
リフォームは金額も大きく、お客様の年齢も高いことが多い。だからこそ同年代の担当者のほうが安心してもらえるケースも多い。
若者推しではなく、どの年代でも輝ける会社であることを大切にしています。
そのため、新卒採用にはあまりこだわらず、
「今から輝きたい」
「もう一度チャレンジしたい」
そう思う人が活躍できる舞台を作ることを大切にしてきました。
■最後に
起業に明確な使命があったわけではありません。
ただ、
「お客様に喜ばれる仕事をしたい」
「仲間と正しいことを楽しくやりたい」
「自分が思う正しいリフォームを形にしたい」
この想いだけはずっと変わりません。
今でも私はハングリー精神を持ち続けています。
これから実現したいことが山ほどある。
13年間リフォーム業界にいて見えてきた自分の使命を、これからも仲間と一緒に形にしていきたいと思っています。