屋根の棟瓦がずれると危険?補修が必要なサインと修理費用を解説
屋根の頂点に位置する「棟瓦(むねがわら)」は、住まいの印象を左右する家の顔ともいえる重要な存在です。見た目の美しさだけでなく、風雨から住まいを守る機能も担っており、日本の家屋に欠かせない屋根材のひとつです。
しかし、その種類や役割、正しい選び方やメンテナンス方法について、詳しくご存じない方も多いのではないでしょうか。実は、棟瓦の状態ひとつで屋根全体の寿命や耐久性、そして住まいの安全性までもが大きく左右されるのです。
この記事では、棟瓦の基礎知識から選び方、長持ちさせるためのメンテナンス方法までを、初めての方にも分かりやすく解説します。屋根を長く美しく保つために、ぜひ参考にしてください。
📌 目次
棟瓦とは何か?その種類と特徴

1. 棟瓦の定義と役割
棟瓦(むねがわら)とは、屋根の傾斜面が交わる「棟(むね)」部分に取り付けられる瓦です。屋根の最も高い位置にあるこの棟部分は、構造上どうしても隙間が生じやすく、雨風の影響を受けやすいため、雨水の侵入を防ぎ、屋根全体の防水性を高める重要な役割を担っています。
さらに棟瓦は、屋根のデザインや印象を決定づける「屋根の仕上げ材」としての側面もあり、外観の美しさや重厚感を演出するポイントにもなります。
使用される瓦の種類によって施工方法も異なり、例えば:
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和瓦屋根では、複数の瓦を積み重ねて棟を形成する「のし積み」工法が主流。
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洋瓦屋根では、専用の一体型の棟瓦を取り付けるシンプルな工法が一般的です。
2. 主な棟瓦の種類
棟瓦にはさまざまな種類があり、屋根材や棟の形状、用途に応じて使い分けられます。以下は代表的な棟瓦の例です。
| 種類 | 特徴・用途 |
|---|---|
| 冠瓦(かんむりがわら) | 和瓦屋根でよく使用される丸型の棟瓦。標準サイズは横幅5寸(約15cm) |
| 七寸丸瓦(しちすんまるがわら) | 洋瓦に多く使用される直径約7寸(約21cm)の丸瓦 |
| 平伏間瓦(ひらふくまがわら) | 平らな形状で、隙間を広く覆えるため、和瓦の広い棟部分に用いられる |
| 三角棟瓦 | 平板瓦などに用いられるシンプルな三角形状の棟瓦 |
| 三つ又瓦 | 複数の棟が交差する接合部に使用される特殊瓦。複雑な屋根構造で必須 |
3. 各棟瓦の特徴と選び方のポイント
棟瓦の種類によって、防水性・耐久性・デザイン性に明確な違いがあります。
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冠瓦(丸型)
滑らかな丸い形状により雨水がスムーズに流れるため、防水性に優れるとともに、伝統的な美しさを演出します。 -
平伏間瓦(平型)
広い面積をカバーできるため、隙間ができにくく、安定性が高いのが特長。瓦の積み方との相性も良く、施工性に優れています。
また、屋根材との相性も重要です。たとえば、和瓦には和瓦用の棟瓦を、洋瓦には洋瓦用の形状を使用するのが基本です。素材の違いによっても重量や耐久性、メンテナンス性が異なるため、屋根の構造・地域の気候・予算を総合的に考慮して選ぶことが大切です。
棟瓦の選び方|見た目・耐久性・地域性から考える最適な選択

棟瓦を選ぶ際は、単に屋根の仕上げ材としてだけでなく、屋根全体の美観や耐久性、安全性を左右する重要な要素として捉えることが大切です。ここでは、棟瓦を選ぶ際に押さえておきたい3つのポイントをご紹介します。
1. 屋根材との相性を重視する
まず大前提として、屋根材との組み合わせは非常に重要です。
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和瓦屋根には伝統的な形状の「冠瓦」や「のし瓦」などの和瓦用棟瓦
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洋瓦屋根には曲線が美しい「七寸丸瓦」など洋瓦専用の棟瓦
といった具合に、瓦の形状・色・質感を屋根材と統一することで、全体の調和が取れ、美しい屋根に仕上がります。
近年ではデザインの自由度も広がっており、「和瓦屋根に洋風の棟瓦を取り入れる」などのアレンジも可能です。ただし、構造的な適合性は必ず専門家に確認しましょう。

2. 予算と耐久性のバランスを考える
棟瓦の価格は、材質・大きさ・加工の有無によって幅があります。
たとえば以下のような違いがあります:
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一般的な粘土瓦やセメント瓦:比較的安価だが、定期的なメンテナンスが必要
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防災棟瓦や金属系棟材:初期コストは高いが、施工性や耐風性が高く、耐久性にも優れる
初期費用を抑えたい気持ちは分かりますが、頻繁な補修が必要な安価な瓦よりも、トータルでメンテナンスコストを抑えられる高耐久な瓦の方が結果的にお得になるケースも多いです。

3. 地域の気候条件を反映させる
棟瓦は地域の気候にも大きく影響を受けるため、その土地に合った仕様を選ぶことが耐久性と安全性を高めるカギとなります。
たとえば:
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積雪の多い地域 → 重みに耐えられる強度のある棟瓦、または積雪荷重を分散させる形状を選ぶ
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台風が多い地域 → 風圧対策として「緊結工法(ビスや銅線による固定)」に対応した棟瓦が望ましい
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海沿いの地域 → 塩害に強い素材(例:金属製の防錆加工瓦)を選定
地域に適した棟瓦を選ぶことで、屋根のトラブルを未然に防ぎ、長く安心して住める家を維持することができます。
棟瓦の適切なメンテナンス|劣化の兆候から点検・修理のポイントまで

棟瓦は、屋根の最上部に位置するため雨風の影響を受けやすく、劣化や不具合が起こりやすい箇所です。適切なメンテナンスを行うことで、屋根全体の寿命を延ばし、雨漏りや倒壊といった重大なトラブルを防ぐことができます。
1. 劣化症状を早期に発見する
棟瓦の劣化は目視でも確認できるサインが多く、早期発見が何より重要です。以下のような症状が見られたら、すぐに点検を依頼しましょう。
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瓦にひび割れや欠けがある
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棟瓦の傾きやズレが見られる
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漆喰(しっくい)が剥がれて白い粉や塊が落ちてくる
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強風や地震の後に瓦の変位が起きている
こうした劣化を放置すると、雨水の侵入→下地の腐食→屋根全体の修繕が必要といった大がかりな工事につながるため、軽度なうちの対応がコスト面でも最も有効です。

2. 定期的な点検と清掃がトラブル防止のカギ
棟瓦は、年に1回程度の定期点検と清掃を行うことで、状態を長く保つことが可能です。
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点検:
専門業者による点検では、瓦のひび割れや浮き、漆喰の剥がれ、下地材の腐食などを総合的にチェックします。DIYでの確認は危険が伴うため、屋根のプロに任せるのが安心です。 -
清掃:
落ち葉やホコリが堆積すると、雨水の流れを妨げて劣化を早めることがあります。
清掃の際は、高圧洗浄機の使用に注意し、瓦を傷つけないように作業しましょう。
3. 修理・交換の目安と判断ポイント
棟瓦の状態に応じて、補修で済むケースと交換が必要なケースがあります。
| 状況 | 対応策 |
|---|---|
| 小さなヒビや欠けがある | シーリング材や接着剤で部分補修 |
| 漆喰が一部剥がれている | 漆喰の詰め直しや補修工事 |
| 瓦のズレ・大きな破損がある | 棟瓦の再施工や一部交換 |
| 棟全体に歪みや傾きがある | 棟瓦・下地ごと交換が必要な可能性 |
判断が難しい場合は、早めに専門業者に診断を依頼し、状態に合った対処を検討しましょう。
適切なタイミングでの修理や交換は、屋根のトラブルを未然に防ぎ、長期的な住まいの安全とコスト削減にもつながります。

まとめ|棟瓦の選定とメンテナンスが家の寿命を左右する
棟瓦は、屋根の最上部に位置し、雨風を防ぐ機能と家の印象を決定づけるデザイン性を兼ね備えた重要な部材です。この記事では、棟瓦の種類や選び方、そして適切なメンテナンス方法について解説しました。
棟瓦を選ぶ際は、屋根材との相性、耐久性と予算のバランス、地域の気候条件といった複数の要素を考慮することが大切です。また、劣化を放置すれば雨漏りや構造の損傷に繋がるリスクがあるため、定期的な点検と清掃、そして早めの修理・交換が不可欠です。
トラブルを未然に防ぎ、屋根の寿命を延ばすためにも、専門業者の診断やアドバイスを積極的に活用することをおすすめします。適切な棟瓦の管理は、住まいを長く快適に保つための第一歩です。
外装工事やリフォームは、信頼できる業者選びと適切な判断が重要です。
施工方法や費用を比較しながら、最適なプランを選びましょう!
屋根工事に慣れていない会社が施工をすると雨漏りにつながることもあります。
会社選定はしっかりと見極めましょう!
そして無料点検・見積もりを活用し、早めのメンテナンスを心がけましょう!
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