罹災証明書って?申請方法・必要書類・発行までの流れ|台風・大雨・地震で被災したら
- リフォームの基礎知識
台風や豪雨、地震などの自然災害によって自宅が被害を受けた際、「罹災証明書(りさいしょうめいしょ)」という言葉を耳にすることがあります。
罹災証明書は、被災後の生活再建を進めるうえで非常に重要な書類です。
住宅がどの程度の被害を受けたのかを市区町村が調査・認定し、その結果を公的に証明するもので、被災者生活再建支援金をはじめ、税金・保険料などの減免や各種被災者支援制度を利用するときに必要になる場合があります。
一方で、
「どんな被害なら申請できるの?」
「屋根が壊れただけでも申請したほうがいい?」
「修理してから申請しても大丈夫?」
「火災保険を使うために罹災証明書は必要?」
など、実際に被害を受けて初めて分からないことも多いでしょう。
この記事では、罹災証明書の意味から申請方法、被害認定の基準、写真撮影のポイント、火災保険との関係まで詳しく解説します。
災害で住宅に被害を受けた方は、修理や片付けを始める前にぜひ確認してください。
- 1. 罹災証明書とは?
- 2. 罹災証明書は何に使う?
- 3. 罹災証明書の被害認定は6段階
- 4. 罹災証明書と被災証明書の違い
- 5. 罹災証明書を申請する流れ
- 6. 最重要!修理する前に必ず被害写真を残す
- 7. 修理を先にしてしまったら罹災証明書はもらえない?
- 8. 軽微な被害なら「自己判定方式」が使われることも
- 9. 罹災証明書の申請に必要なものは?
- 10. 罹災証明書はオンラインでも申請できる
- 11. 罹災証明書に申請期限はある?
- 12. 調査結果に納得できない場合は?
- 13. 火災保険の請求に罹災証明書は必要?
- 14. 「火災保険で無料修理できます」という業者には注意
- 15. 台風・豪雨で屋根や外壁が壊れたら「証拠を残してから修理」が鉄則
- 16. 罹災証明書についてよくある質問
- 17. まとめ|被災したら「片付ける前に写真」「早めに自治体へ相談」
罹災証明書とは?
罹災証明書とは、地震や台風、大雨などの災害によって住宅が被害を受けた際に、その住宅がどの程度被害を受けたのかを市区町村が証明する書類です。
災害対策基本法では、被災者から申請があった場合、市町村長は住家などの被害状況を調査し、その被害の程度を証明する罹災証明書を交付することとされています。
大切なのは、単に「災害に遭ったこと」を証明する書類ではなく、住宅の被害程度を行政が調査・判定した結果が記載されるという点です。
例えば、
「家の屋根が台風で飛ばされた」
「地震で外壁に大きなひび割れが入った」
「豪雨で床上まで浸水した」
といった被害について自治体が調査を行い、国が示す基準に基づいて「全壊」「半壊」などを判定します。
なお、ここでいう「住家」とは、原則として実際に生活の本拠として使用している建物を指します。倉庫やカーポート、門扉、空き家、車などは罹災証明書ではなく、「被災証明書」「罹災届出証明書」など別の証明制度の対象となることがあります。
罹災証明書は何に使う?
罹災証明書は、被災した住宅の修理そのものを行うための書類ではありません。
主な役割は、行政などが実施する被災者支援の対象になるかを判断する資料として使われることです。
災害や自治体によって利用できる制度は異なりますが、被災者生活再建支援金、住宅の応急修理、税金や社会保険料などの減免・猶予、公共料金等に関する支援などの手続きで、罹災証明書の提出を求められる場合があります。デジタル庁も、被災者生活再建支援金や税・保険料・公共料金の減免・猶予などの支援策で利用される書類と案内しています。
ただし、「罹災証明書があれば必ず支援金を受け取れる」という意味ではありません。
利用できる支援制度や支給額は、災害の規模、自治体、世帯状況、住宅の被害程度などによって変わります。
被災した際には罹災証明書だけでなく、自治体が発表している「被災者向け支援制度」もあわせて確認しましょう。
罹災証明書の被害認定は6段階
住家の被害は、内閣府が示している「災害に係る住家の被害認定基準運用指針」などをもとに判定されます。
現在は、住家全体に占める経済的な損害割合などに応じて、主に次の6段階に区分されます。
| 被害の程度 | 住家全体に占める損害割合の目安 |
|---|---|
| 全壊 | 50%以上 |
| 大規模半壊 | 40%以上50%未満 |
| 中規模半壊 | 30%以上40%未満 |
| 半壊 | 20%以上30%未満 |
| 準半壊 | 10%以上20%未満 |
| 準半壊に至らない(一部損壊) | 10%未満 |
ここで注意したいのが、「見た目の壊れ方だけ」で判定されるわけではないということです。
屋根や外壁、基礎、柱、建具などの損傷状況を調査し、各部位の損害割合などを計算して住宅全体の被害程度を判断します。
そのため、「屋根がかなり壊れているから半壊だろう」「床上浸水したから必ず半壊になる」と自己判断することはできません。
最終的な被害程度は自治体による被害認定調査によって決まります。
罹災証明書と被災証明書の違い
混同しやすいのが「罹災証明書」と「被災証明書」です。
罹災証明書は、主に住家について自治体が調査を行い、「被害の程度」まで証明するものです。
一方、被災証明書や罹災届出証明書などは、カーポート、物置、塀、門扉、店舗、車などについて、「災害によって被害を受けた事実」や「被害の届出があった事実」を証明するものとして運用されている自治体があります。
例えば東京都北区では、住家の被害程度を証明するものを罹災証明書、住家以外の建物・物件や動産について被害を受けた事実を証明するものを被災証明書として案内しています。
ただし、証明書の名称や対象は自治体によって異なるため、被災した建物が所在する市区町村へ確認することが大切です。
罹災証明書を申請する流れ

住宅が災害被害を受けた場合は、次のような流れで手続きを進めます。
- まず身の安全を確保する
地震後の建物や台風で屋根が破損した住宅には、倒壊や落下物などの危険があります。無理に屋根へ上がったり、壊れた建物内へ立ち入ったりせず、安全を最優先にしてください。 - 修理・片付けの前に被害状況を写真で残す
建物全体、屋根、外壁、室内、浸水跡など、被害状況が分かる写真をできるだけ多く残します。 - 住宅所在地の市区町村へ罹災証明書を申請する
自治体の担当窓口、郵送、オンラインなどで申請します。対応方法は自治体によって異なります。 - 自治体による住家被害認定調査を受ける
必要に応じて職員等が現地を訪れ、住宅の外観や内部、浸水状況などを確認します。 - 被害程度が認定され、罹災証明書が交付される
調査結果に基づいて「全壊」「半壊」「準半壊」などの被害程度が記載されます。 - 罹災証明書を使って各種支援制度を申請する
自治体などが案内する支援制度について、対象になるものがないか確認しましょう。
被害の状況や災害規模によっては、申請から交付まで時間がかかることがあります。
特に大規模災害では多数の申請が集中するため、早めに申請しておくことが重要です。
最重要!修理する前に必ず被害写真を残す
災害で住宅が壊れたときに特に覚えておきたいのが、「片付け・撤去・修理を始める前に写真を撮る」ことです。
現在、多くの自治体でも被災者に対して写真保存を呼びかけています。
例えば大雨被害への対応では、自治体が「調査前に修繕や片付けをすると被害状況の確認が難しくなるため、あらかじめ被災状況を撮影して保存してほしい」と案内しています。
写真を撮る際は、住宅全体が分かる引きの写真と、実際に壊れている部分が分かるアップの写真の両方を残しておくことがポイントです。
例えば台風で屋根材が飛散している場合は、地上から安全に撮影できる範囲で住宅全体と破損箇所を記録します。
豪雨による浸水の場合は、外壁や室内に残った水位の跡、床・壁・建具などの被害状況も残しておきましょう。
スマートフォンで構いませんので、「撮りすぎかな」と思うくらい複数方向から撮影しておくことをおすすめします。
ただし、屋根の被害を撮影するために自分で屋根へ上るのは非常に危険です。
「自分では屋根の状態を確認できない」
「どこまで被害が出ているのか分からない」
「雨漏りが心配」
という方は、無理に屋根へ上がらず専門業者へご相談ください。
やまもとくんでは、屋根・外壁など住まいの状態確認についてご相談を承っています。
[台風・豪雨による住宅被害について相談する]
[LINEや写真で簡単お見積もりはこちら]
[電話で相談:0120-55-6406(年中無休)・24時間受付しております]
修理を先にしてしまったら罹災証明書はもらえない?
修理したからといって、必ず罹災証明書を申請できなくなるわけではありません。
ただし、修理や撤去によって被害状況が分からなくなると、自治体が正確に被害程度を判定できなくなる可能性があります。
雨漏りなどで緊急の応急処置が必要なケースもありますので、その場合は修理前の状態を写真や動画で十分に記録しておくことが重要です。
いつ災害が発生したのか、どこが壊れたのか、どのような応急処置をしたのかなども記録しておくとよいでしょう。
施工業者による被害写真や見積書、工事前写真なども保存しておくことをおすすめします。
軽微な被害なら「自己判定方式」が使われることも
罹災証明書というと、必ず自治体職員が住宅を訪問するイメージがあるかもしれません。
しかし、被害が軽微で「準半壊に至らない(一部損壊)」と判断できるケースなどでは、申請者が撮影した写真をもとに判定する自己判定方式を採用することがあります。
内閣府の手引きでも、申請者が一部損壊という判定に同意する場合などには、写真による判定を行える仕組みが示されています。
自己判定方式を利用すると、現地調査を省略できるため、罹災証明書の交付までの期間を短縮できる可能性があります。
ただし、「一部損壊ではなく、もっと大きな被害だと思う」という場合には、安易に自己判定方式を選ばず、自治体へ相談しましょう。
罹災証明書の申請に必要なものは?
必要書類は自治体や災害によって異なります。
一般的には、罹災証明書交付申請書、本人確認書類、被害状況が分かる写真などを求められるケースがあります。代理人が申請する場合は、委任状が必要になる場合もあります。
ただし、写真についても「必須」とする自治体と、現地調査を行う場合には必須ではない自治体があります。
そのため、申請前に必ず被災した住宅が所在する自治体のホームページを確認してください。
罹災証明書はオンラインでも申請できる
現在は、窓口だけでなくオンラインで罹災証明書を申請できる自治体も増えています。
デジタル庁によると、マイナンバーカードを利用し、マイナポータルから罹災証明書の発行を申請できる自治体があります。また、自治体独自の電子申請システムを利用できるケースもあります。
被災直後は役所の窓口が混雑することもあるため、オンライン申請に対応している場合は有効な選択肢です。
ただし、すべての自治体・災害でオンライン申請できるわけではありません。
最新情報は各自治体の公式サイトを確認しましょう。
罹災証明書に申請期限はある?
申請期限については、全国一律に「○日以内」と決まっているわけではなく、自治体や災害によって取り扱いが異なります。
例えば、被災した日から6か月以内を原則としている自治体もあります。
時間が経過するほど、「今回の災害による被害なのか」が判断しにくくなり、住宅を修理してしまえば被害認定調査も難しくなります。
そのため、罹災証明書が必要になる可能性がある場合は、できるだけ早めに自治体へ確認・申請することをおすすめします。
調査結果に納得できない場合は?
「想像していたより被害認定が軽かった」
「室内にも大きな被害があるのに、十分確認されていない気がする」
といったケースも考えられます。
住家被害認定では、第1次調査の結果について被災者から申し出があった場合などに、第2次調査や再調査が行われる仕組みがあります。内閣府の住家被害認定業務の手引きにも、第2次調査・再調査についての運用が示されています。
判定に疑問がある場合は、そのままにせず罹災証明書を発行した自治体へ相談してください。
火災保険の請求に罹災証明書は必要?
ここは特に誤解されやすいポイントです。
台風や豪雨で住宅が被害を受けると、
「火災保険を使うには罹災証明書を取らなければならない」
と思われることがあります。
しかし、日本損害保険協会は、風水害などによる損害保険金の請求について、地方自治体が発行する罹災証明書の提出は原則不要と案内しています。
保険会社は、被害写真や修理見積書、事故状況などをもとに独自に損害を確認します。
つまり、
自治体の罹災証明書に記載される被害認定と、保険会社による保険金の損害認定は別のもの
と考えておきましょう。
必要書類は契約している保険会社や保険内容によって異なるため、災害被害が発生したら、まず保険会社または保険代理店へ連絡することが大切です。
「今回の台風で壊れたのか確認したい」
「修理が必要なのか判断できない」
という場合は、被害が広がる前に住宅の状態を確認しておきましょう。
[屋根・外壁の被害についてやまもとくんに相談する]
[LINEや写真で簡単お見積もりはこちら]
[電話で相談:0120-55-6406(年中無休)・24時間受付しております]
「火災保険で無料修理できます」という業者には注意
台風や豪雨、地震などの災害後には、住宅修理に関するトラブルも増えます。
日本損害保険協会も、「保険が使える」と言って住宅修理を勧誘する業者や、保険金請求を代行する業者とのトラブルに注意するよう呼びかけています。
火災保険が使えるかどうか、いくら保険金が支払われるかを最終的に判断するのは保険会社です。
「必ず保険金が出る」
「自己負担ゼロで直せる」
「今すぐ契約しないと保険が使えなくなる」
などと契約を急がせる業者には十分注意してください。
災害後の住宅修理は、被害状況をきちんと確認し、必要な工事内容や費用を説明してくれる信頼できる業者へ相談することが重要です。
台風・豪雨で屋根や外壁が壊れたら「証拠を残してから修理」が鉄則

台風や突風、豪雨では、屋根材の飛散、棟板金の破損、雨樋の変形、外壁の破損、雨漏りなど、住宅のさまざまな場所に被害が発生します。
こうした被害では、雨漏りを防ぐために一刻も早く直したいと思うのは当然です。
しかし、罹災証明書や保険などの手続きを考えると、
「被害状況を記録する → 自治体や保険会社へ連絡する → 必要な応急処置・修理を行う」
という順番を意識することが大切です。
もちろん、雨漏りや落下物などで生活や安全に支障がある場合、修理を後回しにする必要はありません。
その場合も、可能な範囲で施工前の写真や動画を残し、どこがどのように壊れていたのか分かるようにしておきましょう。
罹災証明書についてよくある質問
屋根の一部が壊れただけでも申請できますか?
申請自体は可能な場合があります。
ただし、調査の結果、被害程度が「準半壊に至らない(一部損壊)」となったり、「被害なし」と判断されたりする可能性があります。
対象となる災害や受付条件については自治体へ確認してください。
床下浸水でも罹災証明書は発行されますか?
水害についても住家被害認定の対象となります。
ただし、浸水深だけではなく建物の構造や損傷状況なども踏まえて判定されるため、「床上浸水=○○」「床下浸水=○○」と一律に決まるわけではありません。
賃貸住宅でも申請できますか?
罹災証明書は住宅の所有者だけを対象とするものではありません。
実際に被災時に居住していた世帯が申請できる自治体があります。例えば熊本市では、家の所有にかかわらず、被災時に居住していた世帯について申請対象としています。
具体的な申請者の条件は自治体へ確認してください。
カーポートが壊れた場合も罹災証明書ですか?
カーポートや門扉、物置などは「住家」ではないため、罹災証明書ではなく被災証明書や罹災届出証明書などの対象となる場合があります。
火災による被害も市役所に申請しますか?
火災については消防署などが罹災証明を担当している地域があり、地震・台風・豪雨などの自然災害とは申請窓口が異なることがあります。
被害を受けた自治体や消防署へ確認してください。
まとめ|被災したら「片付ける前に写真」「早めに自治体へ相談」
罹災証明書は、災害によって被害を受けた住宅について、自治体がその被害程度を証明する重要な書類です。
特に被災者生活再建支援金や税金・保険料等の減免など、公的な被災者支援制度を利用する際に必要になる場合があります。
台風や豪雨、地震で住宅が被害を受けたときに最も重要なのは、修理や片付けをする前に被害状況を写真や動画で残しておくことです。
そして、
「罹災証明書が必要か分からない」
「この程度の屋根被害でも申請できる?」
「自治体の調査前に修理していいの?」
と迷った場合は、まず住宅所在地の市区町村へ相談しましょう。
屋根や外壁などに被害がある場合は、安全のため自分で屋根に上らず、専門業者による点検を依頼することも大切です。
やまもとくんでは、屋根・外壁をはじめとした住まいのご相談を承っています。
台風や豪雨などの後に「屋根が壊れていないか心配」「雨漏りが発生した」「外壁に被害が出た」という場合は、被害を放置せず、まずは住まいの状態を確認することから始めましょう。
[屋根・外壁の点検・修理について無料相談する]
[LINEや写真で簡単お見積もりはこちら]
[電話で相談:0120-55-6406(年中無休)・24時間受付しております]
※罹災証明書の申請方法、必要書類、受付期間、対象となる被害、利用できる支援制度などは自治体や災害によって異なります。実際に申請する際は、必ず被災した住宅が所在する自治体の最新情報をご確認ください。