太陽光発電の発電量はどのくらい?1日の発電量・年間発電量の目安を解説
- コラム
太陽光発電を検討していると、「結局1日にどれくらい発電するのか」「年間ではどのくらいの電気を作れるのか」が気になるのではないでしょうか。よく目安として使われるのは、1kWあたり年間およそ1,000kWh前後という数字です。ただしこれはあくまで標準的な設置条件での目安で、地域や屋根の向き、天候によって実際の数字は変わってきます。この記事では、1日・1か月・年間という単位ごとの発電量の考え方と、その数字がどんな条件で変わるのかを順に見ていきます。
太陽光発電の発電量はどのくらい?
太陽光発電協会(JPEA)が示す目安では、真南向き・傾斜角30度程度という条件が整った場合、1kWあたりの年間発電量はおよそ1,000kWhとされています。この数字をもとに、1日・1か月あたりの発電量を単純に割り算した目安が下の表です。
| 設備容量 | 年間発電量の目安 | 1か月あたり(単純平均) | 1日あたり(単純平均) |
|---|---|---|---|
| 4kW | 約4,000kWh | 約333kWh | 約11kWh |
| 5kW | 約5,000kWh | 約417kWh | 約14kWh |
この表の「1か月あたり」「1日あたり」は、年間発電量を12か月または365日で割った単純平均です。実際の発電量は季節や天候によって日々変動するため、毎日この数字どおりに発電するという意味ではありません。出典:太陽光発電協会(JPEA)よくあるご質問
太陽光発電の発電量は「kWh」で考える
太陽光発電の話には「kW」と「kWh」という似た単位が出てきますが、意味は異なります。
- kW(キロワット)=太陽光パネルが持つ設備容量。いわば発電できる力の大きさです。
- kWh(キロワットアワー)=実際に発電した電力量。1kWの発電が1時間続いたときの電力量が1kWhです。
「4kWのパネルを載せた」というのは容量の話で、「今月は400kWh発電した」というのは実際に作られた電気の量の話です。この2つを混同すると、「4kWなら毎時間4kWh発電する」というような誤解につながるので、分けて考えておくと数字が整理しやすくなります。
太陽光発電の1日の発電量
1日の発電量は、天候や季節、日の長さによって大きく変わります。晴天が続く日は先ほどの表の目安に近い数字が出やすく、逆に曇りや雨の日は大きく下がります。同じ「晴れ」でも、夏至の頃と冬至の頃では日照時間そのものが違うため、同じ設備でも1日の発電量は季節ごとに差が出ます。
そのため「1日〇kWh」という一つの数字だけを覚えるより、「晴れた日はこのくらい、曇りの日はこのくらい」という幅で捉えておくほうが、実際の使い方に近いイメージになります。
太陽光発電の1か月の発電量
1か月単位で見ると、1日ごとの天候差はある程度ならされますが、それでも月によって発電量には差が出ます。日照時間が長く気温もほどよい春や秋は発電量が伸びやすく、梅雨の時期や冬場の日照時間が短い月は発電量が下がる傾向があります。夏は日照時間自体は長いものの、パネルの温度が上がりすぎると発電効率がわずかに落ちるため、真夏だからといって年間で最も発電する月になるとは限りません。
先ほどの表の「1か月あたり約333〜417kWh」という数字は年間の単純平均なので、実際にはこれより多い月と少ない月が入り混じった結果として、年間の合計がこの水準に近づくというイメージで見てもらうと実態に近くなります。
太陽光発電の年間発電量
年間発電量については、いくつかの公的機関の資料でも目安となる数字が示されています。
- 太陽光発電協会(JPEA):条件が整った場合、1kWあたり年間約1,000kWhが目安
- 環境省の県庁所在地別の推計:1kWあたりの年間予想発電量は地域によって約1,095kWh〜1,339kWhの幅があり、東京は約1,134kWh
- 経済産業省の資料をもとに紹介されているデータでは、10kW未満の太陽光発電設備の平均的な年間発電量が1kWあたり約1,190kWh前後という実績値も示されています
数字に幅があるのは、日射量が地域によって違ううえ、屋根の向きや角度、パネルの種類、パワーコンディショナの性能など複数の条件が重なって年間発電量が決まるためです。「4kWなら年間必ず〇〇kWh」と言い切れる数字はなく、あくまで目安として捉えておくのが実情に近い考え方です。
太陽光発電の発電量は季節で変わる?
季節ごとの傾向をおおまかに整理すると、次のようになります。
- 春・秋:日照時間がある程度確保でき、気温も高すぎないため、パネルの発電効率が落ちにくく、年間の中でも発電量が伸びやすい時期です。
- 夏:日照時間は長いものの、パネル表面の温度が上がりすぎると発電効率がやや低下するため、日照時間の長さほど発電量が伸びない日もあります。
- 冬:日照時間が短く、太陽の高度も低くなるため、他の季節に比べて発電量は下がりやすくなります。地域によっては積雪がパネルを覆い、一時的に発電がほぼ止まることもあります。
この傾向は全国共通のものではなく、地域の気候によって差が出る点も踏まえておくと、実際の数字とのズレが少なくなります。
曇りや雨の日の発電量はどうなる?
曇りや雨の日は晴天時に比べて発電量が大きく下がりますが、まったく発電しなくなるわけではありません。太陽光パネルは直射日光だけでなく、雲を通り抜けてくる散乱光でも発電するため、厚い雲に覆われた日でも一定の発電は続きます。
一方で、雨や曇りの日が連続すると、その期間の発電量は晴天が多い期間に比べて明らかに少なくなります。年間や月間の発電量を考えるときは、こうした天候による波があることを前提に、晴れの日だけを基準にしないほうが実態に近づきます。
太陽光発電の発電量を左右する条件
発電量には、主に次のような条件が影響します。
- 設備容量(kW):容量が大きいほど、同じ条件下での発電量は多くなります。
- 屋根の向き:真南に近いほど日射を受けやすく、東西や北向きになるほど発電量は下がりやすくなります。
- 屋根の角度:地域の緯度に近い傾斜角のときに、年間を通した発電量が安定しやすくなります。
- 日当たり:周辺の建物や地形によって日照時間そのものが左右されます。
- 影:隣家や樹木、アンテナなどの影がパネルにかかると、その部分の発電が大きく落ちることがあります。
- 季節・天候:ここまで見てきた通り、日照時間や気温によって発電量は変動します。
- 設置場所(地域):年間の日射量は地域ごとに異なり、環境省の推計でも地域差が示されています。
これらの条件がどう組み合わさるかによって、同じ容量のパネルでも実際の発電量には差が出ます。屋根の形状や日当たりの詳しい判断基準については、別記事「太陽光発電が向いている家とは?」でも取り上げています。
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自宅の太陽光発電の発電量を確認する方法
ここまでの数字はあくまで全国的な目安です。実際に「自宅ならどのくらい発電するか」を知りたい場合は、次のような手順で確認していく方法があります。
- 屋根を確認する:向き、角度、面積を把握します。
- 設置容量を確認する:屋根に載せられるパネルの枚数から、おおよその容量を確認します。
- 日当たり・影を確認する:周辺の建物や樹木による影の影響がないかを見ます。
- 電気使用量を確認する:現在の電気代明細などから、月ごとの使用量を把握します。
- 発電量シミュレーションを行う:屋根の条件と地域の日射データをもとに、より実際に近い発電量を試算します。
この5つを順番に押さえていくと、全国平均の数字ではなく、自宅の条件に沿った発電量のイメージがつかみやすくなります。
発電量シミュレーションで自宅の発電量を確認
NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の太陽光発電導入ガイドブックでは、年間の予想発電量を、地域の年平均日射量・システムの損失係数・設備容量・年間日数から算出する考え方が示されています。損失係数には、パネル温度の上昇による損失、パワーコンディショナでの変換損失、配線や汚れによる損失などが含まれており、単純に「日射量×容量」では出てこない現実的な値に近づける計算方法です。
実際の見積もりやシミュレーションでは、この考え方をベースに、屋根の向き・角度・影の有無・地域の気象データを反映して発電量を試算します。全国平均の目安と自宅の試算結果には差が出ることも多いため、購入や設置を具体的に検討する段階では、平均値だけでなく自宅の条件に基づいたシミュレーションを確認しておくと、導入後のイメージとのズレが少なくなります。
まとめ
太陽光発電の発電量は、1kWあたり年間約1,000kWhという目安がよく使われる一方で、地域や屋根の向き、天候、季節によって実際の数字は変わります。1日・1か月・年間のどの単位で見ても、「この条件ならこの数字になる」と一律に言い切れるものではなく、複数の条件が重なった結果として発電量が決まっていきます。
全国的な目安をつかんだうえで、自宅の屋根の向きや日当たり、電気使用量を確認し、発電量シミュレーションで具体的な数字を出してみると、導入を検討する際の判断材料になります。初期費用の回収についてより詳しく知りたい方は、別記事「太陽光発電は本当に元が取れる?」もあわせてご覧ください。
本記事の著者・監修者
音楽専門学校を卒業後、22歳でエクステリア資材などを扱う物流・卸売企業に就職し、営業職を経験。翌年にリフォーム会社へ転職し、営業実績で最年少記録を更新するなどトップセールスとして活躍する。
しかし、当時のリフォーム業界にはびこる不透明な実態(不当な見積もりや手抜き工事など)を目の当たりにし、「自分がこの業界を変えたい」「本当にお客様のためになるリフォーム会社を作りたい」と決意。2015年、25歳で独立し「株式会社やまもとくん」を設立、代表取締役に就任。
現在では、外壁・屋根の外装リフォームを中心に、エコキュート関連事業、太陽光発電事業まで幅広く展開し、グループ累計施工実績は26,000棟を突破。 また、人気YouTube番組「令和の虎」に投資家(虎)として出演するほか、逆転就活リアリティ番組「リアルバリュー(REAL CAREER)」など多数のメディア・番組にも出演。リフォーム業界の枠を超え、若手人材の育成や次世代のビジネスシーンを牽引する経営者としても広く注目を集めている。